貸金業規制法の登場
1983年11月に施行された貸金業規制法は、これまで無法地帯となっていた消費者金融業界に一石を投じた、非常に重要なものだったと思います。
それまでは、消費者金融の営業方法は各業者に任せられていて、常識と照らし合わせても悪質な行為を繰返すような消費者金融もたくさんいました。
この貸金業規制法が施行する以前は、そうした悪質な消費者金融の卑劣な行為によって、消費者金融のイメージはとても悪いものだったのです。
ヤミ金融がいつまでたっても存在しているように、借りる側からすれば、高金利だろうが暴力的な取立て行為がされようが、要は借りられれば良いという心理がどうしても働いてしまうのです。
本来、商売とはいかに良い商品を売るか、いかに優れたサービスを提供するかの勝負になるのですが、消費者金融に関しては、それよりも融資がされるかどうかが消費者にとっては重要視されるのです。
モラルに欠けた営業をしていても、たくさんお金を貸す業者にお客は集まってしまうのです。こうした市場の性質は、消費者金融独特だと思います。
貸金業規制法の登場は、健全な営業をしている消費者金融にとっては、待ちに待ったものだったと思います。
その後、貸金業規制法は何度か改正されて現在に至りますが、改正の度に消費者金融業者にとっては厳しいものになっていきました。
しかも、貸金業規制法は実務を知らない政治家が作成しているというだけあって、実務に沿わない非現実的なものも多数見られます。
今後は、消費者金融業界も交えた徹底した話し合いの中で、より良い貸金業規制法を作成してほしいと思います。