年利109.5%でも人気な時代
高度経済成長を支えるサラリーマンが、どこからも小口で短期のお金を借りられなかった時代にあって、消費者金融が生まれたのは時代のニーズにピタリとあったからだと思います。
消費者金融では、簡単な審査で無担保、無保証のお金を借りることができるのです。消費者金融が生まれた当初は、実に画期的なサービスとして大きな反響があったのもわかる気がします。
見事に時代のニーズをつかんだ消費者金融業界ですが、その当時の貸付金利は年率109.5%という、今では考えられないぐらいの高金利だったのです。
今、年率29.2%の金利ですら高い、違法だと騒がれているぐらいなのです。この年率109.5%という金利はどう考えても高すぎると思います。
しかも、不景気である現代は、貸し倒れする人が大変多く、それだけ消費者金融の利益が圧迫されています。高度経済成長期である当時においては、今とは比べものにならないほど貸し倒れは少なかったはずです。
そのことを考えると、当時の消費者金融は相当儲けていたことが想像できると思います。年利109.5%でもお金を借りる人はたくさんいて、どんどん消費者金融業界が大きくなっていくのです。
今よりも裕福とは思えない時代でも、年利109.5%で借りる人が多かったというのは、やはり将来に対する不安が今よりも少なかったからだと思います。
今は、給与は右肩上がりではありませんし、リストラや倒産といったことも普通に起こりえます。時代というのは、本当に人間の価値観を変えますよね。
それとも、年利109.5%を上限金利とするほうが、実はバランスが良いのかもしれません。それだけ金利が高ければ、借りるほうも慎重になりますし、貸すほうは逆にリスクの高い顧客に対しても思い切って貸付することができるからです。
金利の引き下げがある度に、多重債務者や破産者の数が増えているのも事実です。今、政府がやろうとしている上限金利の引き下げは、実は悪政なのかもしれませんね。