見えない全体像
消費者金融業界の評判が上がらない理由の1つは、消費者金融を健全に利用している人が、なかなかそのことを公言しないからだと思います。
現在、日本の就業人口は6000万人と言われています。そのうち、約1400万人が消費者金融の利用者だと言われています。
消費者金融を利用して返済不能になる人はこのうち10%と言われ、これは、1400万人の90%である1260万人の人が健全に利用していることを示しています。
しかし、日本では借金をすることが恥じずべき行為とする風潮があり、消費者金融を利用していることをなるべく人に知られないようにしてしまいます。
そのため、消費者金融を利用して良かったという意見が世間にでることはなく、返済不能に陥ってしまった人の話ばかりが世間で取沙汰されてしまうのです。
近所の飲食店では、クチコミで評判が広がるかで店の存続が決まりますが、消費者金融においては、そうしたプラスの意見がクチコミとして評判になることはないと思います。
新貸金業法を作成する人たちは、消費者金融を利用したことがない、または利用する必要もない人たちばかりだと思います。
そうした人には、消費者金融の悪い評判は耳に届いても、良い評判が耳に届くことはないと思います。今回の改正内容を見ても、まったく消費者金融業界が担っている役割について理解していないように思います。
消費者金融業界にとって、こうした利用者の全体像が見えにくいということは、とても不利益になっていると思います。
それと同時に、消費者金融を健全に利用する人にとっても、不利益になることは避けられません。