どの時代でも求められる業界
日本は戦後、著しい高度成長を遂げた時代がありました。消費者金融業はこの高度成長期に生まれたビジネスモデルになります。
高度成長期では、働けば働くほど右肩上がりで給与が増えて行きます。給与所得者の資金需要は旺盛で、将来に対する返済の懸念もほとんどない時代です。
後からお金は返せば良いのですから、今必要なもの、今欲しいものは借金してでも買い、今できること、今やりたいことを借金してでもやるという思考の人が多かったと思います。
給与はどんどん上がっていきますので、返済に困るはずがありません。実際、返済不能になるような人も、今とは比べものにならないほど少なかったのです。
高度成長期に生まれた消費者金融は、この時代が求めていたものを見事に表現していたと思います。銀行は積極的に企業に投資して、消費者金融業者は積極的に給与所得者に投資していたのです。
そして、高度成長期が終わり、不景気の波が押し寄せると、消費者金融業は廃れたのかというと、そうではありませんでした。
不景気になったらなったで、給料が上がらない、もしくは給料が下がるからこそ、より消費者金融は求められるようになったのです。
特に低所得者である人ほど切羽詰った資金需要があり、その場を上手く立ち回るためには消費者金融は欠かすことができないものでした。
所得格差が広がる現代においても、消費者金融業界が社会で担う役割は大きいと思います。
現在、過払い金問題や上限金利の引き下げなど、消費者金融業界を取り巻く環境はとても悪いと思います。消費者金融業界が消えてなくることも現実にあるかもしれません。
それで困る人も多いということを、政府は理解するべきでしょう。