責任を負わされた業界
2006年12月、多重債務者の救済を目的とした貸金業法の改正は、消費者金融業界にとっては衝撃的なものでした。
このままでは生き残れない。消費者金融業を営む経営者らのほとんどが、そう感じたと思います。
それほど消費者金融業界にとってはかなり痛い改正だったのですが、これほどの痛手を被るような法改正をされる業界は、他に類はないと思います。
なぜ、これほど消費者金融業界にとってマイナスの法改正が行われたのかというと、すべては多重債務者の救済という目的があるからです。
しかし、多重債務者の救済という目的は良いのですが、多重債務者を生む要因がすべて消費者金融にあると結論付けられ、消費者金融を締め付ければ多重債務者は減ると考えられたことは非常に問題だと思います。
返済不能な人に貸付け、非人道的な取立で回収するという行為を一部の消費者金融業者が行っていたのは事実ですが、それは多重債務者問題のほんの一部でしかないと思います。
多重債務者が急増したのには、消費者金融にも確かにその一端の責任はあると思いますが、それをすべて消費者金融のせいにするというのはお門違いです。
2006年12月に貸金業法は大きく改正されましたが、実際には段階的に調整を加えながら、徐々に変えていくというものです。
今回の改正やその姿勢が間違いであることを気づいたときには、もう手遅れになっているかもしれません。