金利が下がるほど多重債務者が増える
消費者金融というビジネスモデルが登場したころの金利は、年率109.5%でした。それが1991年には年率40.004%、2000年には年率29.2%、そして今度の法改正では年率15?20%になると言われています。
どういった判断や理論で今の金利が高いと言われているのかには、実はあまり決定的な理由がないようです。今の金利が高いのか低いのかを正確に判断するのは、実に難しい問題だと思います。
多重債務者が急増し、破産件数が増えたから金利が高いんだとする意見は、とても乱暴だと思います。
現に昔は年率109.5%でも、今のように破綻する人は多くありませんでしたし、多重債務者もとても少なかったと言えます。
一説によれば、多重債務者や破産件数の増加は、上限金利が引き下げられる度に起こっているそうです。これも乱暴な言い方だと思いますが、こっちのほうが理にかなった説明ができるそうです。
金利が下がればそれだけ返済が楽になるとされていますが、返済余力が生じた分は新たな借金をするだけで、結局は返済が楽にならず、それどころか借金が増えるという意見があります。
また、金利が下がれば、それまでと同じような貸し方をしていれば、消費者金融業者の利益はその分減少してしまいます。
消費者金融業者としては、金利が下がることで減少した利益分を、貸付額と貸出し件数を増やすことで補う必要があります。こちらが貸さなければ他社が貸してしまうという心理になるのも仕方がないですよね。
さらに、金利が下がったということは、それだけ消費者には利用しやすくなったということで、消費者金融を利用したいと思う人を増やしてしまいます。
金利が下がれば必ずしも多重債務者が増えるとは思えませんが、そういった傾向もあるのかもしれません。