過当競争時代から業界の再編へ
消費者金融業界が過当競争に突入したのは、1970年代後半からだと言われています。1975年の消費者金融業者数が約12万8千社だったのに対し、その8年後の1983年には約23万社にまで増えました。
この頃、消費者金融業者のトップ4社の合計支店数は2000店にも達したそうです。しかも、東京を中心に都市部に集中していたことを考えると、都市部には凄い数の消費者金融の店舗があったということです。
どんな業界も、市場が拡大し続けることはありません。必ず市場は成熟し、その後に過当競争の時代がやってきます。コンビニエンスストアにおいても、もう随分前から過当競争に入っていますよね。
ただ、消費者金融業界は過当競争時代に入っていますが、上限金利の引き下げや過払い金返還請求問題などで、今では随分その数が減っているようです。
大手の消費者金融業者も店舗数を大幅に削減し、リストラを進めている状態で、新たな法改正を前に過当競争時代が終わろうとしているのかもしれません。
大手の消費者金融業者が銀行と提携していったように、業界の再編は間違いなく起こっていると思います。
法改正によって上限金利の引き下げと貸付の総量規制が実現すれば、数社を残して後は全て消えてなくなるとさえ言われていますが、消費者金融へのニーズがなくなるわけではありません。
残った大手の消費者金融にとっては、もしかしたらこれまで以上の莫大な利益を得られるようになるのかもしれません。携帯電話の通信業界が4、5社であるように、消費者金融業界も4、5社になるかもしれませんね。
どういった形で消費者金融の業界が再編されるにしても、この業界がなくなることはないと思います。