膨大な広告宣伝費
消費者金融業者は、その辺を歩いている人にお金を借りませんかと聞くわけにはいきません。広告で自社を宣伝し、後はひたすら新規申込を待つという営業スタイルになります。
1度でも顧客になった人に対しては自ら融資の案内をしますが、新規顧客の場合には完全な待ちで、積極的に営業をかけることはありません。そもそも借金を増長するような行為は禁止されています。
新規顧客獲得のためには、いかに宣伝するかにすべてがかかってくるわけです。そのため、消費者金融業者が1年間にかける広告宣伝費は高額になり、消費者金融業界全体として莫大な広告宣伝費を使っているのです。
例えば、消費者金融大手のプロミスでは、2003年の1年間の広告宣伝費は、約158億円になります。あまりに多すぎて、想像できないですよね。
他の大手の消費者金融業者も似たような広告宣伝費を使っていますし、会社の規模が小さくなればそれだけ広告宣伝費は少なくなりますが、他の業界に比べて多いのは間違いありません。
また、プロミスの2003年の新規契約者数は、約34万人になります。そして、新規契約1人あたりの獲得コストは、約4万6千円になります。
新規顧客を獲得するのに4万6千円もかかるのです。年率18%の金利で貸付けたとして、貸付額が10万円なら2年から3年の取引でやっと4万6千円を回収する計算です。
消費者金融業者からお金を借りて、増額融資を受けないでみんなが2年以内で完済してしまえば、この商売は成り立たないということですね。
逆にこの商売が成り立っているということは、それだけ長い期間取引する人が多いということでしょう。