不景気に強い業界?
これだけ破綻する人が多くなった原因は、不景気だけが原因ではなく、消費者金融業者の過剰融資が原因だとする専門家がたくさんいます。
消費者金融業者同士の激しい貸し出し戦争があったことは確かで、貸さなければ他社が貸すだけという考え方は、消費者金融業界では常識となっていました。
また、破綻する人が1人増えたのなら、新たに5人に貸付すれば良いという自転車操業的な考え方も浸透し、消費者金融業界はとても健全な状態ではないと思います。
でも、破綻する人は防げませんので、会社を存続させるためには新たな人に貸付するしかないというのは仕方のないことかもしれません。
消費者金融業界は不景気に強い業界と言われてきましたが、不景気によって過剰貸付していかなくてはならなくなったということを考えると、不景気に強いと言うのは幻想ではなかったかと思います。
経済が右肩上がりで、消費者の所得が右肩上がりの時代なら、消費者金融というのは健全に経営することができると思いますが、消費者の所得が上がらない状況では、本来は貸付を抑制しなければならなかったと思います。
しかし、消費者金融業界では、利益重視の観点と、設備投資の回収ということで、どんどん貸すほうを選んでしまったのです。
これだけ破綻する人が多く、さらに過払い金返還請求があり、今後は貸出金利が引き下げられ、総量規制という貸付制限までされるのですから、消費者金融業界はどうすることもできないと思います。
破綻する人が増え、その分を貸していくことで埋めてきた消費者金融業界は、今後は貸すことも制限されますので、廃業や倒産は後を絶たないと思います。