単品サービスを提供する業界
消費者金融業界は、他の業界の原理とは全然違う業界だと思います。よく言われることは、消費者金融業界というのは、単品サービスを提供している業界ということです。
消費者金融業界が消費者に提供している商品は、金銭消費貸借という1品のみであり、他社と差別化する要素としては金利しかありません。
小売業では品揃えによって他社と差別化が図れると思います。商品を製造しているメーカーも、他社の商品を真似することはあっても、まったく同じ商品を製造して卸すことはないですよね。
しかし、消費者金融業界の場合には、金銭消費貸借という1つの商品を、みんなが同じように売り出しているのです。
金利で差別化ができるとは言え、今の金利水準では、どの会社も法律で決められた金利の上限で営業しているのが普通なので、金利で差別化ができるかと言えば困難だと言えます。
そして、金銭消費貸借というのは重複が可能な商品であり、1人の消費者が2つも3つも持てるものです。
そのため、消費者金融各社はその唯一の商品である金銭消費貸借を競って売り出し、1人の消費者に対して群がるように営業をすることになるのです。
また、中小の消費者金融業者などでは、貸せば債務者が破綻して回収不能になるが、貸さなければ収益を上げることができないという状況が続いています。
さらに、改正貸金業法で貸付の総量規制が始まれば、業界が再編されることは必然だと思います。