地方での動き
消費者金融業は多くのニーズに支えられた業界になりますが、代わりに資金面で苦労した背景があります。
利用者のニーズはあるものの、世間に対する消費者金融のイメージは悪く、銀行の消費者金融への目は厳しいものでした。
中小の消費者金融業者の中には、社長や従業員の財布からお金を借りて、お客さんに融資するということもしばしばあったようで、資金が不足していた時代には消費者金融業者はやり切れない思いだったと思います。
地方において、数多くの中小の消費者金融業者が存在していましたが、資金調達で苦戦し、なかなか市場を開拓することができませんでした。
そんな資金不足の時代においても大手だけは他人事で、中小の消費者金融業者を尻目に、地方にどんどん進出して行くのです。
これだけ地方にも大手の消費者金融業者の支店が並んでいるのは、こうした背景によるものでしょう。
地方においても、優良顧客は大手の消費者金融業者に流れてしまい、中小は多重債務者を相手にギリギリの商売をするしかなかったのです。
その後、大手の消費者金融業者が株式上場を果たしていくと、ようやく地方の銀行でも中小の消費者金融業者への融資を始めます。
資金面の課題がクリアーされた中小の消費者金融業者は、どんどん貸付を行っていきますが、その対象はすでに大手では借りられなくなった多重債務者です。
それでも貸付しなければ存続できない中小の消費者金融業者の存在が、多重債務者問題を引き起こしたのには疑う余地はないと思います。