供給を上回る需要?
消費者金融の提供しているサービスは、少額の現金をスピーディに借りられることです。このサービスに対する需要は、実はとてつもなく多いことを知っているでしょうか。
現在、多くの消費者金融業者が存在し、世間では過当競争だとか、客の奪い合いだとか、市場が成熟しているとか言われていますが、実は消費者金融業界ではサービスの供給量を上回る需要があるのです。
消費者金融業者への融資申し込み数は、依然として高い水準にあります。申し込み数に対する新規契約の数の割合を示す新規契約率は、大手の消費者金融で30%から50%程度、中小になれば10%から30%になるのです。
つまり、消費者金融のサービスを受けたい人が10人いても、そのサービスを受けられる人は多くても半分の5人程度しかいないということなのです。残りの5人は、サービスを受けたくても受けられない人になるのです。
この需要の上回り方は、他の業界では考えられないと思います。どの業界も過剰供給をいかに抑えるかで苦労しているのに、消費者金融業界についてはサービスを受けたい人を断っている状態なのです。
ただ、サービスを受けたくても受けられないという人は、著しく信用のない人であり、返済が容易ではない破綻寸前の人になると思います。
破綻寸前の人はもはや客とは呼べず、こうした人からの融資申し込みは需要とは言えないのかも知れません。そう考えてしまうと、実は需要ははるかに供給を下回っているのかもしれません。
今後は、破綻寸前の多重債務者の債務を低金利で一本化して破綻を防いだり、無職の人に就職までの生活資金を融資したりと、そういった高リスクの人を破綻させずに救済していくといった取り組みはどうでしょうか。
今まで審査で断っていた人を上手く取り込むことが、消費者金融業界の次のステップになるのではないかと思います。