業界からヤミ金融へ流れる多重債務者
2008年5月、金融庁は政府の多重債務者対策本部有識者会議で、多重債務者が3割減ったということを報告したそうです。
金融庁のこの発言は、全国信用情報センター連合会のデータによるもので、約171万人いた多重債務者が、現在では118万人になったというのです。
実際、大手の貸付残高が2兆円も減っているということで、消費者金融業界の規制強化をした結果が実ったと言うことです。
しかし、多くの経済学者に言わせれば、これは健全な消費者金融業者が抱えていた多重債務者が、違法に営業するヤミ金融に流れたに過ぎないということです。
この見解は多分正しいと思います。多重債務者が減ったというのは、全国信用情報センター連合会のデータの中だけの話で、実情とは全く逆だと思っても良いでしょう。
全国信用情報センターへの消費者金融業者の加盟社数も、1年前の約2000社から現在では1500社程度にまで減少しています。
この500社は、廃業してサービサーに債権譲渡したところ、ヤミ金融に鞍替えしたところに別れますが、どちらも今回のデータには繁栄されません。
さらに、大手の消費者金融業者が貸し渋ったため、多くの個人事業者や商店がヤミ金融に走っていることが想像できます。
政府の多重債務者への対策は健全な消費者金融業界を縮小し、違法なヤミ金融業界を活性化させて多重債務者を急増させたと言われても仕方がないと思います。
消費者金融業界からすれば迷惑この上ないということでしょう。