4重苦に直面する業界
消費者金融業界が現在直面している問題は、貸出金利の引下げ、過払い金の返還請求、総量規制、資金提供者の不在の4つです。
この4重苦に苦しむ消費者金融業界が、これらの苦難を乗り越えていくのか、または乗り越えられずに業界自体が大幅な縮小を余儀なくされるのかは、今のところはまだわかりません。
貸出金利の引き下げについては、貸出金利が引き下げられれば、当然それに見合ったリスク層にしかお金を貸すことができず、今まで貸していた人に貸せなくなるということが起こります。
さらに、貸出金利が下がれば、それだけもらえる利息が少なくなるということで、収益が減少するのは間違いありません。
貸す人が少なくなり、さらに利用者1人からもらえる利息も少なくなるのですから、大問題ですよね。
過払い金返還請求については、過払い金は推定で10兆円、返還請求できる人は1000万人と言われています。
いつかはなくなるのでしょうが、まだまだ先は長そうですし、それだけ消費者金融業者の体力がもつかは怪しいと言えます。
過払い金返還件数は右肩上がりから平坦に変わりましたが、依然高水準であることに変わりありません。
総量規制については、貸出金利が引き下げられるよりも大きな痛手になる可能性があります。この人にはいくらまでということが法律で決められてしまえば、市場の縮小は逃れられません。
資金提供者の不在については、消費者金融業界がこのような危機に直面している以上、誰も消費者金融業者にお金を貸したくはないですよね。
銀行とくっついたところはセーフですが、そうではないところは、資金繰りの悪化で遅かれ早かれ倒産すると言われていますし、現に倒産していっています。
このように4重苦に直面している業界になり、あと数年で消費者金融業界は大きく変わると思います。