サラリーマンの増加が業界を作った
消費者金融が誕生したのは、戦後から始まった高度経済成長期です。この時代の日本は、今では考えられないほど劇的な変化の中でみんなが生活していました。
物価は急上昇し、給与も急激に上がっていったこの時代、地方から都市部に人が流れる時代の始まりだったとも言えると思います。
第1次産業から第2次産業へ、そして第3次産業へと移り変わる過程で、多くの人が都市部に集まり、企業はどんどん大きくなっていき、雇用環境が非常に活発な時代です。
このころ、都会で働くサラリーマンの数が急激に増加したのは想像できると思います。
サラリーマンは月に1回給与をもらいますが、このころに限らず、いつの時代でも金欠になることは多いと思います。給与日までなんとか生活しなければと、そんなふうに思うサラリーマンは今もたくさんいますよね。
高度経済成長時代のサラリーマンは、給与が毎年どんどん上がっていきますので、長期的に見れば金欠にはなりにくいと思いますが、短期的に見れば金欠になりやすかったようです。
インフレによって物価がどんどん上がっていきますし、生活を一変させるような新製品が次から次へと発売され、消費者の購買意欲は今とは比べものにならないと思います。
そうした背景が、消費者金融業というビジネスモデルと上手くマッチしたのだと思います。
また、そのころのサラリーマンにとっては、給与は退職までずっと右肩上がりで行くと思っていますので、借金をして破綻することなど想像できなかったと思います。
また、自分の信用でお金を借りられるということを、ステータスととらえていた人もいたと思います。月々の給与の額が決められているサラリーマンにとって、消費者金融業界は今も昔もなくてはならないものなのかもしれませんね。