申告しなければわからない
保証人が保証契約を結んだ金融機関以外の金融機関に融資の申込をしたとき、申込先には保証債務があるのかどうかは、申込者が申告しなければわかりません。
ある人が300万円の借金の保証人になっていたとします。
しかし、その人が無関係な金融機関に新たに融資を申込んでも、申込まれた金融機関には300万円の借金があることなどわからないのです。
これは信用情報機関の不備だと言えます。保証債務については、主債務者がしっかりと返済している限りは、保証人は支払いをする必要がありません。
債務を保証していますが、まだ債務を負っているとはならない微妙な状態だと言えます。このことが少しややこしくしているのかもしれません。
私が消費者金融業者に勤務していた頃、まだまだ返済余力がありそうな人に融資を行いました。信用情報や本人の収入を考えれば、どう考えても破綻する恐れはありません。
でも、この人は1回目の支払いをすることなく、弁護士に債務整理を依頼しました。
弁護士からの受任通知には、大借金を抱えている妻の保証人であり、その保証債務のために支払い不能になったということが書いてありました。
こちらからすれば、多額の保証債務があるなら、融資申し込み時に申告するべきとなり、ある意味では詐欺にあったようなものですが、どうすることもできませんでした。
このようなケースは結構あります。保証債務があるかどうかは本人の申告に頼るしかありませんので、本人が黙っていれば、貸す方は泣き寝入りするしかありません。
本人の債務が少なく、保証債務が多額の場合には、破綻状態でも借りることができるということで、業界としては今後改善していくべきでしょう。