本来の職務以外で起こった損害について
身元保証人でわかりにくいのは、いったいどこまでの範囲で保証すれば良いかということです。
例えば、本来の職務以外のことで起こった損害についてはどうなるのでしょうか?
Aさんが営業としてある会社に入社したとします。その際、Aさんの身元保証人になったのがBさんです。
ある日、Aさんは普段営業で使用している乗り慣れた普通車ではなく、トラックの運転を命令されます。たまたま運転手が休みで、倉庫からトラックを出せということです。
Aさんはトラックの運転には自信がありませんので断ったそうですが、会社側は強く命令します。
そして、Aさんはトラックを倉庫でぶつけてしまい、会社に損害を与えてしまったということです。
ここで、会社はAさんの身元保証人であるBさんにその損害を請求します。
さて、この場合にはBさんは会社の請求に応じなければいけないでしょうか?
答えは、まったくゼロというわけにはいきませんが、2割から5割程度は支払わなくてはいけません。
この場合には、会社の監督責任が問われることになります。トラックの運転に自信のないAさんに無理に運転させての事故になりますので、会社も悪いですよね。
ただ、本来の職務ではない場面で起こしてしまった事故でも、Aさんが起こしたことには変わりありませんので、まったく責任がないとは言えません。
本来の職務以外で起こった損害については、会社側の落ち度があると言えますので、身元保証人が支払う金額は大幅に減額されますが、ゼロにはなりませんので覚えておきましょう。