実印を盗用された場合
金融機関では、保証契約を締結する際には保証人となる人にその意思を確認することが求められています。
ただし、これは法律で決まっているというわけではなく、あくまでも実務上の慣行としての注意に止められています。
そのため、金融機関の中には、保証契約の際に保証人にその意思を確認しないで締結してしまうところもあります。
そうなると、誰かがあなたの実印を持ち出して、勝手にあなたを保証人にしてしまうこともあるわけです。
この場合、金融機関にも確認をしなかったという落ち度がありますが、あなたのほうにも実印の保管についての落ち度があったと指摘されてしまいます。
保証責任の有無について裁判になれば、どちらに転ぶかは微妙なところです。黒白はつかず、保証債務の何割かを保証するという形になるのが多いでしょう。
ただ、実印を盗用して保証契約を勝手に保証契約を結ぶのは、家族や兄弟などの身内のケースがほとんどです。
赤の他人である泥棒が実印を盗んで保証契約を結ぶということはありませんよね。そんなことをすればすぐに逮捕されてしまいます。
実印を盗用するのは身内になりますので、その身内との関係によってその後の行動が変わってくると思います。
本気で保証債務について責任を負いたくないなら、身内を窃盗や詐欺罪で訴え、損害賠償請求を起こすようにしましょう。
そうすれば、金融機関に支払ったお金を後々回収することができるはずです。
そこまではと言うのなら、金融機関との交渉によって多少の減額をした後、身内のために支払いをするしかありません。