替え玉を使って保証人にされた
金融機関では保証契約を締結する際には、必ず保証人となる人にその意思を確認しなければいけません。
こうした規定があることから、中には替え玉を使って誰かを保証人とするケースがあります。
また、保証契約を結ぶ際には実印を用いることが比較的多いので、多くは家族による場合が多くなります。
例えば、息子が母親の実印を持ち出して、母親を自分の借入の保証人にしようとしたとします。
そのとき、知り合いの女性に頼んで一緒に金融機関に行き、その女性を母親と偽らせることで保証契約をその場で結ばせるのです。
この場合、息子が返済を遅れた場合には、保証人とされた母親に請求が行くことになりますが、母親は見に覚えがないと支払いを拒否しますよね。
そして、息子に問い詰めると替え玉を白状するということです。
ここで問題となるのは、金融機関の本人確認の仕方です。金融機関の本人確認がずさんで、替え玉だと気がつかなかったというのなら、それは金融機関に落ち度があったことになります。
その場合には母親に支払い義務はありません。
金融機関での本人確認は身分証明書で確認するのが一般的です。しかし、免許書やパスポートを持っていないときには、正確な本人確認ができなくても仕方がありません。
住民票や保険証では本人の顔が載っていませんので、確認はできませんよね。
金融機関に本人確認で落ち度がなかった場合には、母親は支払いをしなければいけない可能性が高くなります。
まあ、どちらにしても、母親に支払い義務がなければ銀行が息子を訴え、母親に支払い義務があれば母親が息子を訴えるか、もしくは諦めるかになるでしょうが。