名前だけ貸しただけでも
友人から、「絶対に迷惑はかけないから、名前だけ貸してほしい」と頼まれて、その念書も受け取った人がいます。
念書もありますし、名前だけならと渡された保証契約書に署名捺印します。
その後、その友人が行方不明となり、金融機関からその人に対して請求がありました。
友人との間には名前だけ貸すという約束があり、その証拠もあります。さて、このケースではその人に支払い義務はあるでしょうか?
答えは、ほぼ間違いなく支払わなくてはいけません。
でも、念書があるから大丈夫なのではと考える人もいるかもしれませんが、この場合の念書には何の意味もありません。
「絶対に迷惑をかけないから」や「名前だけ書いてくれれば」、「何かあってもこの念書を見せれば大丈夫」などといった言葉は保証人を頼む際の常套句でしかありません。
保証制度と言うのは、債務を保証するという以外の何ものでもありません。それなのに、名前だけ貸したというような言い訳は世間では通用しません。
保証契約において何か重要な落ち度が金融機関にあれば、例外的に支払いを免除されることはありますが、普通の金融機関がそんな落ち度を犯すとは考えられません。
「名前だけ」などというのは通用しませんので、保証人を引き受ける際には、債務の返済をいつでもする準備をしてから引き受けるべきでしょう。