自己破産件数
バブルの頃では想像すらできませんでしたが、現在日本は不況の真っ只中にあります。政府は緩やかに不景気から回復しているとしていますが、市井においては全くそれを感じません。
企業の倒産件数は増加し、リストラや賃金の削減、非正社員問題などのために、自己破産者の数は増えています。
最高裁判所の調査では、1998年で約10万4千人、1999年では約12万3千人、2000年では約14万人、2001年では約16万人、2002年では約21万5千人と年々自己破産件数が増加しています。
その後は、自己破産に代わる制度である民事再生法の登場で、これまでの急激な増加はなくなりましたが、自己破産と民事再生法をあわせると、その数字は非常に厳しい世の中を表していると言えます。
今から数年前の最も自己破産件数が多かった頃では、芸能人や有名人といった人たちも自己破産をするなど、自己破産が社会現象にもなっていました。
貸金業界の過当競争と不況というダブルパンチにより、多重債務者と呼ばれる人が急激に増えたのが、自己破産件数が増加した理由ですが、こうした有名人の告白もその一原因になっているのかもしれません。
多くの書店で自己破産を勧める本が並び、借金苦で自殺するなら自己破産をするようにというのが、世論になっています。
こうした背景で、多くの人が自己破産を選択するわけですが、無計画に消費者金融業者から借金をして、借りるだけ借りてお金を使い切り、挙句の果てに自己破産をする人も大変増えています。
自己破産件数が急増した背景には、こうした借り手のモラルの低下というのも、1つの要因ではないでしょうか。