自己破産と自殺
警察庁生活安全局地域課のまとめによれば、平成14年の自殺者の数は約3万2千人だそうです。そして、そのうち経済的な問題が理由で自殺した人は、約8千人もいるそうです。
自殺する人の、4人に1人が経済的な問題が原因となっているのです。ちなみに、この平成14年というのは、自己破産件数のピークでもあり、多くの人が経済的に悩んでいた時期でもあります。
もちろん、経済的な問題の全てが借金苦によるものだとは言えませんが、ほとんどがそうではないかと思います。
借金苦で自殺した人の胸中を推し量ることは難しいですが、自己破産よりも死を選ぶということは、自己破産についての正しい知識や理解が乏しかったことが想像できます。
現在では、借金苦でも当時ほど自殺に走る人は少なくなりましたが、全くいなくなったわけではありません。
今一度、自己破産について正しく理解するとともに、自己破産は恥ずかしいことではないということを、世の中の共通理解にする必要があるのではないでしょうか。
また、借金苦での自殺の中には、ヤミ金融による被害者も相当数いると思います。借金苦での自殺を減らすには、自己破産の社会的定着以外にも、ヤミ金融を撲滅する必要があると思います。
ヤミ金融から借金をしている人は自己破産では救われません。借金苦の人の最後の砦である自己破産をしても意味がないというのは、あまりにも酷い話です。
ヤミ金融を警察の力で撲滅すことは現実的には無理があります。ヤミ金融は絶対に利用してはいけないということを、社会に徹底して浸透させることが、ヤミ金融を撲滅させる唯一の方法ではないでしょうか。