破産原因となる支払い不能の状態とは
破産は、誰でも申し立てればできるというものではありません。破産を申し立てるには破産原因があることが大前提で、破産原因がない場合には、破産を申し立てても裁判所で受理されることはありません。
破産法はこの破産原因について、支払い不能の状態にあることと定めています。
破産法では支払い不能の状態について、破産の決定がされた日現在のすべての債務を弁済できるだけの財産を持たず、またこれを近く入手できる見込みもないために弁済能力が全般的・継続的に欠けている客観的状態と説明しています。
どういった状態なら支払い不能の状態にあるのかは、債務者の借金の総額や財産、収入、年齢、性別などを総合的に見て判断されなければいけません。
そのため、借金がいくらなら支払い不能の状態であるとか、年収がいくら以下なら支払い不能の状態になるとかは、一概には言うことができません。
ただ、借金の総額が多くなればそれだけ支払い不能の状態になりやすく、収入が低ければそれだけ支払い不能の状態になりやすいというのは、少し考えればわかると思います。
そのため、収入のない専業主婦は借金の総額が少なくても、支払い不能の状態になりやすいですし、大企業で勤めていたり公務員として勤めていたりすれば、借金の総額が高くなければ支払い不能の状態にはならないと言えます。
また、消費者金融業者から借入れを行って多重債務者となっている人では、毎月の返済が厳しいと感じた時点で、すでに支払い不能の状態になっていることも少なくありません。
消費者金融業者は金利が高いので、金利の低いところから借金するよりも、それだけ支払い不能の状態になりやすいのです。