自己破産とは財産を全て差し出すこと
よく、自己破産をして借金をチャラにしてもらうという言い方をしますが、これは本来の自己破産の意味とは違います。
本来破産手続きとは、債権者が返済不能の債務者に対して行うもので、債務者の所持している財産を処分して換金し、それを債権者で分け合おうという法的手続きになります。
返済するお金がないなら、財産を売ってお金に換えてでも返済しろというのが、破産手続きなのです。一般的に知られている破産とは、随分意味が違いますよね。
一般的に知られている破産とは、借金を免除してもらうことだと思いますが、この借金の免除は、免責手続きになります。
破産手続きをして財産を失った人には、債務しか残りません。そうした人は破産までして返済を行ったのだから、もう許してあげましょうというのが、免責になります。つまり、一般的にいわれている破産とは、免責のことなのです。
貸金業の急成長によって生まれた多重債務者らは、免責を受けるためにどんどん自己破産をしていきますが、多くの場合で彼らには処分できるような財産がなく、破産=借金がチャラという認識になっていったのです。
また、平成16年6月の破産法改正により、これまで破産申し立てをして、破産宣告を受けた後に免責申し立てをしなくてはいけなかったのが、破産申し立てをすると自動的に免責も申し立てたことになるという形に変わりました。
昔は債権者が破産手続きをしていたのが、今では自己破産が一般的になっています。それだけ差し出す財産がない人が、多重債務に陥っているということでしょう。