過払い金がない場合でも
過払い金があると思って取引履歴の開示請求をしたが、実際には過払い金が発生していなかったということはよくあります。
過払い金が発生していないということは、借金はゼロにならないし、返還されるお金もない。全くの無駄足だったと考える人がいると思いますが、無駄足には全然なりませんので安心してください。
取引履歴の開示請求を行い、貸金業者から開示された取引履歴をもとに利息制限法で引き直し計算をして、過払い金があるのかないのかを調べますが、ここで過払い金が発生していなかったとしても、落胆することはありません。
この利息制限法の上限金利に合わせて行う引き直し計算は、本来は過払い金を求めることが目的のものではなく、現在の正しい借金残高を求めるものなのです。
法律では、利息制限法で定める上限金利を超える金利は無効としています。ところが、多くの貸金業者は利息制限法の上限金利を超えた金利で営業をしているのです。
これまでの取引履歴を利息制限法で引き直し計算するということは、無効とされる金利分を排除して、法律で定められている金利で今の借金を計算するということなのです。
つまり、ここで算出された残高が貸金業者に対して法律上支払う義務のある借金であり、それだけを支払えば借金がゼロになるということなのです。
引き直し計算によって残高が2万円となれば、約定での残高が50万円あろうと、2万円返済すれば完済とすることができるのです。
利息制限法による引き直し計算は、過払い金の確認だけでなく、自分の借金を減らすこともできるというわけです。