過払い金返還請求の一斉訴訟
過払い金返還請求の目的は、過払い金が発生している貸金業者との間で和解することにあります。過払い金は法律で認められている行為にはなりますが、貸金業者のほうにも当然言い分があります。
そのため、すんなりと過払い金を支払う業者はほとんどなく、多くの貸金業者が専門の担当者を置いて、過払い金の減額交渉による和解を進めてきます。
ただ、それでも両者が和解に至らない場合には、過払い金返還請求訴訟に発展します。
また、過払い金返還請求訴訟は、提訴する金額によって簡易裁判所と地方裁判所に分けられています。
簡易裁判所では、貸金業者の従業員も法廷に立つことができ、貸金業者としては不必要な弁護士費用を払わなくても良いという利点があります。
一方の地方裁判所では、法廷に立つことが許されているのは代表取締役などの限られた役員や弁護士になります。貸金業者としては裁判が長引けばそれだけ弁護士費用が高くなるので、早期の和解を希望します。
こうした点から、過払い金を請求する側にとっては、地方裁判所で提訴するのが有利になります。そこで、複数の過払い金請求者を集めて連盟で訴訟をすることが有効になるのです。
複数の過払い金をまとめて訴訟することで、金額を高くして地方裁判所に提訴するというのです。この方法では、裁判で必要とされる経費を過払い金の請求者らで分割できますので、少ない負担で訴訟をすることができます。
このように、複数の過払い金返還請求訴訟をまとめて、一斉訴訟することはとても有効な方法だといえます。そのため、クレサラ系の弁護士はこの方法をよく使い、時には弁護団を作って大規模な一斉訴訟を行うこともあります。