過払い金返還請求通知書の目的
過払い金返還請求通知書を貸金業者に送付した後、その通知を全く無視するところもあれば、早いところでは1週間以内に連絡をくれるところもあります。貸金業者からの連絡の内容は、主に和解案の提案になると思います。
過払い金返還請求通知書の目的は、もちろん請求した過払い金全額を払ってもらうことですが、現実的には少し無理があります。
過払い金がもらえるというのはあくまでもこちらの主張であって、相手方である貸金業者の主張は違います。
この場合、どちらかの主張が一方的に正しく、それが認められるということには必ずしもなりません。
なぜ? 過払い金をもらうのは当然でしょ?
そんなふうに考えている人は、頭の中を柔らかくする必要があるでしょう。
民事裁判では一般的に、どちらか一方の主張だけを聞き入れて、それを判決とすることはありません。民事裁判での裁判官の役割は、妥当な落としどころを見つけて双方を和解させることにあります。
過払い金の請求に関しても、考え方はこの民事裁判と同じです。過払い金返還請求通知書の目的は、現実的には妥当な過払い金をもらえるよう和解することになります。
過払い金に関しての事例では、そのほとんどが和解になります。これは、両者の争いの場が裁判所に移ったとしても変わりません。過払い金返還請求訴訟では、最終的にはほとんどが和解で結審されているのです。
そのため、過払い金返還請求通知書を送った後は、いかに有利な条件で和解できるよう交渉するかが、非常に大切であり難しくもあります。