継続取引の場合の過払い
貸金業者との取引が5年も10年も続いている人は、ほとんどが枠内融資を繰返しす継続取引をしていると思います。
50万円の融資を受けたときには、1万5千円の60回払いというような契約を結ぶのが普通です。50万円の融資を受けて、その契約どおりに60回の返済で完済する人は少数派だと思います。
普通は50万円という融資枠内でのキャッシングが可能なので、返済と枠内でのキャッシングを繰返すことが多いと思います。ちなみに、毎月の利息を返済すれば良く、元本を返さなくても良いという自由返済方式もあります。
また、初回契約は10万円の融資枠で、返済を続けると融資枠が20万円に増額になるという方式をとっている貸金業者は多いです。さらに、返済実績によって30万円、40万円、50万円と融資枠を広げていくのです。
このように、借り手は返済を長期間続けても、元本が減るどころか増えていく傾向があり、ずっと借金をした状態で、ずっと貸金業者に利息を支払っているという状態が普通だと思います。
特に、元本を一括で返済することができない多重債務者に、このようなケースが多く見られます。
ところで、過払い金を求める引き直し計算では、継続取引は全て1つの取引とみなして計算されます。融資ごとに過払い金を求めていくのではなく、前取引で発生した過払い金は次の融資額に充当されていくのです。
そのため、貸金業者との取引は長いが、最近融資を受けているから過払い金は発生していないということにはなりません。
過払い金においては、どれだけ最近キャッシングをしていても、契約書を書き換えていても、初回の契約からずっと1つの契約として考えますので、過払い金の発生には何の障害にもならないのです。
過払い金の時効は10年と言われていますが、契約書を書き換えようが、取引が続いている限りは関係ありません。