多重債務者問題が過払い金を生んだ
過払い金が生まれたのは、貸付金利の法規制、2つの異なる上限金利、多重債務者問題、クレサラ系弁護士さんの活躍が背景にあると思います。
多重債務者問題については、ここで細かく説明しなくても、みなさんすでにおわかりだと思いますが、簡単に説明したいと思います。
かつて、日本はバブルがはじけて不景気に突入しました。その不景気で、借金をする人が一気に増加しす。また、現金自動払い機の登場で加速的に顧客を増やした貸金業者は、テレビCMにおいて優良スポンサーへとのし上がります。
その後、景気は回復したと表向きにはなっていますが、たんに一握りのお金持ちがさらにお金を得ただけで、富裕層と貧困層の格差はますます開いて行きます。
多重債務者になる人のほとんどは貧困層であり、その原因も生活苦がほとんどです。こうしたことを考えれば、今後もまだまだ多重債務問題はなくならないと思います。
ところで、そうした多重債務者問題が社会問題にまで発展することで、法を司る裁判官らの考え方に、大きな影響を及ぼすことになります。
全国の裁判所で、多重債務者を救済する方向になり、それが過払い金請求という流れへと繋がったのです。
今では、破産申し立てをする際に、裁判所のほうで過払い金がないかのチェックを行っているところもあるほどです。過払い金があれば破産させず、過払い金を請求するように指導をしているのです。
過払い金は、裁判所が多重債務者救済に動いた結果生み出された、1つの多重債務者問題の解決法だと言えると思います。