取引期間が長い人ほど過払い金が多い
貸金業者に払いすぎたお金が、現在の債務額を超えると過払い金となります。そのため、総返済額が大きい人ほど過払い金の発生している可能性が高くなり、同時に過払い金も高額になります。
総返済額は、取引期間と深い関係があります。取引期間が長ければ長いほど、それだけ多くのお金を返済していることになりますので、取引期間の長さで総返済額が決まるといっても良いと思います。
例えば、10年返済している人では、総返済回数は120回にもなります。仮に約定利率が年率29.20%で融資額が50万円だとすると、1回の返済で29.20%から利息制限法の18%を差し引いた金利分が払いすぎになります。
借金元本を減らさずに、利息払いだとすると、約定金利は50万円×29.20%÷12ヶ月=約12166円になります。
一方、これを利息制限法の金利で計算すると、50万円×18%÷12ヶ月=7500になります。つまり、毎月12166円から7500円を差し引いた4666円が払いすぎというわけです。
これを10年続けたとすれば、4666円×120回=559920円の払いすぎになり、借金元本の50万円からこの払いすぎた分を差し引いた59920円が過払い金になるのです。
仮に返済期間が20年となれば、4666円×240回=1119840円が払いすぎた分になり、619840円が過払い金となります。
実際には元金は返済ごとに減りますし、取引期間中に何回も融資を受けますので、このような単純な計算では求められませんが、取引が長い人ほど過払い金が多くなるのは間違いありません。