ゼロ和解を提案されたら
現在借金が残っている貸金業者に取引履歴の開示請求をした場合、相手からゼロ和解を提案されることがあります。ゼロ和解とは、借金をなしにしましょうという和解のことです。
貸金業者の言い回しにはいろいろあると思いますが、取引履歴を探す手間を考えたらゼロで和解したいとか、過払いにはならないと思うが残高が数千円になるから手っ取り早くここで和解したとか、そんなふうに言ってくると思います。
毎月の返済に追われている人にしてみれば、借金がなしになって返済しなくてもよくなるというのは、とても魅力的な提案に思えるかもしれません。
しかし、ちょっと待ってください。取引履歴の開示請求の目的は、過払い金をもらうことです。過払い金をもらうということは、その時点で借金はゼロになっているはずです。
貸金業者の提案するゼロ和解は、取引履歴を開示しないことで多額の過払い金の支払いを避ける、巧妙な交渉術だと言えます。
貸金業者は取引履歴を開示する前に、必ず自分たちで引き直し計算をしています。そこで過払い金が発生している場合に、ゼロ和解を提案してくるのです。
つまり、ゼロ和解を提案してくるということは、ほぼ100%の確率で過払い金があるということです。もらえる過払い金をもらわずに、安易にゼロ和解をするのは、ほとんどの場合で損になると思います。
ただ、ここでゼロ和解に応じては絶対にいけないというわけではありません。相手によっては過払い金がもらえるのが半年先になることも考えられ、さっさとゼロ和解したほうが今の借金苦から抜け出して、やり直せるということもあると思います。
ほとんどの場合ではゼロ和解に応じず、引き続き取引履歴の開示を請求したほうが良いと思いますが、それが絶対ではないということも、覚えておいてください。