【消費者金融で遭遇した客】中絶費用を借金する人
貸付業務をしていると、条件的には貸せるけど、心情的には貸したくないという申込者もいます。この場合には、会社を儲けさせなくてはならないサラリーマンですから、当然お金を貸しますけど…。
私がこれまでに1番貸したくないと思った人は、「中絶費用を借りたい」という女性です。その女性も好きで中絶するのではなく、どうしようもない理由があるのはわかるのですが、気分的には良くありません。
その女性は借入件数が多く、貸せるか貸せないかの曖昧なところでした。断っても会社に対してまあ悪いことはないけど、利益を求めるなら貸したほうが良いだろうといった感じでしょうか。
しかし、ここでお金を貸すとその女性は中絶してしまいますので、一人の生命を奪うことになります。ここでお金を貸さなくても結果は同じかもしれませんが、自ら手を下すのとそうでないのとでは全然後味が違いますよね。
結局、その女性には融資をしました。貸付けしたお金を何に使うかは利用者の自由であり、そこまでは責任が持てないと、半ば言い訳のような理由をつけて貸したことを覚えています。
その後、その女性はしっかりと完済したようなので、会社的には良かったのでしょうが、何とも苦い思いをしました。
ただ、今思えば、あの貸付けも人助けになったと納得しています。融資を断っていれば、あの女性はとても大変なことになっていたかもしれないからです。
世の中お金がなければ何もできませんが、消費者金融があるおかげで、お金がない人にもある程度の選択の自由が与えられていると言えますよね。