家族が代払いした人の再融資の審査
今は貸金業者に対する規制が厳しくなっていますので、債務者の家族や身内が代わりに完済するというケースは少ないかもしれません。
ただ、私が消費者金融業者に勤務していた頃は、家族や身内による代払いというのは、まさに日常茶飯事のことでした。
利用顧客の家族や身内が、電話で本人の借金について問い合わせてきても、基本的には答えません。
ときには、なぜ家族であるのに教えられないんだと怒鳴ってくることもありますが、プライバシーを侵害する行為を犯すわけにはいきませんよね。
そのため、家族や身内による代払いのケースでは、店頭に本人と連れ立って来店するケースが多かったように思います。
本人に店の椅子に座らせて、後ろで家族や身内が睨みをきかすのです。そして、家族や身内がお金を出し、完済証明書を受け取るのです。
このとき、家族や身内の人が少し機転の利く人であるなら、本人にはもう2度と貸さないでくださいと言ってくれます。
その言葉を受ければ貸付禁止顧客として処理し、本人からの申込があっても、もう2度と貸しません。
ただ、その言葉がなければ、こちらとしても正直迷います。明らかに家族が代払いして借金を整理していると思っても、その真実はわかりません。
それなら貸金業者のほうから聞いてくれればと思う人もいるでしょうが、貸金業者はできれば貸したいという立場になりますので、もう貸さないほうが良いですかとは聞けないのです。
ただ、家族や身内が代払いした顧客については、次に再融資の申込があったときに多少割引して審査されます。
顧客本人が返済能力がないというのはわかっていますので、後は家族や身内がもう1度助けてくれそうかどうかで判断するのです。
そのため、完済したときの状況を記録として残し、その点で判断することになるのです。余程借入件数が減っていない限りは、お断りするのが普通だと思いますが。