受付で聞かれることが少なくなった
個人情報保護法の施行や、貸金業者に対する規制が年々厳しくなるにつれて、貸金業者は融資申込者から得られる情報が少なくなってきています。
昔は、借入申込者の家族の名前や生年月日、勤務先、学校名など、借入申込者の身内のことまで何でも聞いていました。
生活を家族と送っているという場合には、その人に融資するというよりも、その家族に融資するという考えで貸付審査をしていたのです。
貸付は個人にするもので、借金の返済義務は借入した本人のみと言っても、家族で1つの家計を持っているなら、そんな話は現実的ではありませんよね。
また、根掘り葉掘り聞くことでその人の生活臭を嗅ぎ取り、より親密になってお付き合いをするということでした。
そうした時代では、人情というものが貸金業者と顧客の間ではあり、子供が大学に行くからそのお金を貸してほしいと言われれば、頑張ってくださいといってお金を貸してあげる風景がありました。
しかし、そうした人情も時代が進むにつれてかなり薄れているように感じます。融資申込者に対して聞けることが年々狭められ、上辺だけのデータをコンピュータに入力して貸付審査するという時代が今だと思います。
貸金業者の利用者にとっては、受付で聞かれることが少なくなったということですが、その分、借入件数や借入総額、収入などの数字がより審査に重要視されるようになったとも言えると思います。
人柄重視ではなく、そうした数字重視の審査のために、多重債務者や自己破産者が増加したのかもしれませんね。