何回払いとは言えなかった
消費者金融業者で勤務しているとき、お客さんに対して契約内容を説明するのですが、お客さんに対してわざと金利を計算させないような言い回しをしていました。
これはあくまでも例えですが、年率29.2%の金利で50万円を融資したとします。返済は毎月1回定額で行うと定め、返済期間をお客さんに決めてもらいます。
返済期間は翌月一括返済から5年返済まであり、お客さんが自由に決めることができます。
返済期間が短くなればそれだけ毎月の返済額が高くなり、分割の妙味が少なくなります。そのため、最長の5年で契約する人が多くなります。
ちなみに、年率29.2%で50万円借入れて返済期間が5年なら、毎月の返済額は1万6000円になります。
50万円借りて毎月1万6000円ずつの返済なら、なるほど、お得なような気がしますよね。
でも、返済期間が5年ということは、返済回数で言えば60回になります。
つまり、1万6000円を60回(最終回は端数調整)支払うということです。1万6000円×60回=96万円が最終的に支払うおおよその金額になるのです。
50万円が元本になりますので、46万円が金利として支払うということになります。
50万円借りて返済が倍近くというのなら、借りるのをためらう人も多いのではないでしょうか。
そのため、私が勤めていた消費者金融業者では、1万6000円の60回払いとは言わず、1万6000円の5年払いと言うことで、お客さんに金利を計算されないようにしていたのです。