弁済許可の申立て

元消費者金融マンが語る【借金返済のいろは】TOP > 個人再生 > 弁済許可の申立て

弁済許可の申立て

個人再生では、再生手続き開始の決定から再生計画が認可されるまでの間は、個人再生の対象となる債務の弁済が原則禁止されています

個人再生の対象となる債務とは、消費者金融や知人からの借り入れはもちろん、住宅資金特別条項を利用した個人再生を選択したのなら、住宅ローンも含まれることになります。

そのため、再生手続き開始の決定から再生計画の認可までは住宅ローンの返済ができないことになります。

再生手続き開始の決定から再生計画の認可までは、通常4、5ヶ月かかります。住宅ローンが延滞することで、その間の遅延損害金を支払わなくてはならないという不利が生じてしまいます

過去の民事再生法にはこれを防ぐ手段がなく、泣く泣く遅延損害金を支払うというケースが多々ありましたが、平成15年の改正によって、弁済許可の申立てができるようになりました。

弁済許可の申立てをすると、原則禁止されている再生手続開始から再生計画の認可までの期間の弁済ができるようになります

弁済許可の申立てには、個人再生の申立て書類とは別に、弁済許可申請書を裁判所に提出しなければいけません。

この弁済許可申請書を提出して認められれば、住宅ローンの返済を延滞することなく弁済できますので、必ず利用したいところです。

住宅ローンは個人再生では基本的に減額されませんし、遅延損害金や利息も免除されないのが普通です。少しでも余分な支払いを増やさないように、忘れずにこの制度を利用しましょう。

弁護士も個人再生に慣れていない人は忘れることがありますので、しっかりと意思表示をして、より確実にするのが良いと思います。

 

 

関連記事

  1. 個人再生準備中に債権執行されることも
  2. 失業中だが個人再生は可能か?
  3. 約定の借金の5分の1ではありません
  4. 消極的同意要件
  5. 個人再生では準備が大切
  6. 分割予納金制度
  7. 民事再生と個人再生の比較
  8. 自助努力を促す制度
  9. 見栄で個人再生を選んではいけない
  10. 企業の破産は混乱を招く