自宅以外で認められた例
個人再生とは、住宅ローンの残っている自宅を手放すことなく、大幅な債務の免除を受けられる制度になります。
この自宅というのは、個人再生の申立人が実際に住んでいる建物でなければならず、生活の拠点となっている住宅であることが前提となっています。
そのため、別荘を対象に個人再生をすることは認められていませんし、別居の妻が住んでいるだけで本人は別の場所で生活しているという場合にも、個人再生では認められていません。
個人再生で対象となる自宅とは、個人再生の申立人名義であり且つそこに申立人が住んでいることが条件になっているのです。
しかし、民事再生法ではそのように定められていても、考慮すべき事情があると裁判所が認めた場合には、裁判所は裁量によって、実際には住んでいない住宅の場合でもそれを認めることがあります。
例えば、結婚後自分で購入した住宅に、両親と同居していたとします。しかし、妻と両親の折り合いが悪く、結局はその自宅を出て別に住宅を借りて妻と生活をすることになります。
この状態で個人再生をすれば、申立て本人が住んでいる住宅は借家であり、持ち家は両親が住んでいることになりますので、持ち家は個人再生の対象から外れてしまい、競売に出されてしまうのが普通です。
ただ、この状態は仮であり、妻と両親を説得して、いずれは持ち家である住宅のほうにまた戻る予定の場合には、裁判所の裁量で、その持ち家が個人再生の対象に認められたというケースがありました。
このように、人には様々な事情があり、法律に厳格になればそれらはすべて却下となってしまいますが、日本の裁判所は意外と柔軟な対応をしてくれますので、初めから諦める必要はありません。
もし、自分のケースが個人再生では微妙なときには、とにかく弁護士に相談することが、何より大事だと思います。