給与所得者等再生
民事再生法の中で、個人の債務整理向きな制度としては、小規模個人再生と給与所得者等再生の2つがあります。
給与所得者等再生とは、小規模個人再生よりもクリアすべき項目は厳しいものの、再生計画案の決議を債権者に求める必要がないというメリットがあります。
小規模個人再生では、再生計画案の決議を全ての債権者に求め、債権者の半分以上または債務額の半分以上の反対があった場合には、民事再生法の適用を受けられません。
給与所得者等再生では、条件を満たしさえすれば、そうした民事再生法の適用を受けられないということはありません。
しかし、給与所得者等再生を利用するには、小規模個人再生を利用できる条件を全てみなし、さらに給与の変動幅が小さいこと、小規模個人再生で定める最低弁済基準に加えて可処分所得の2年分以上を返済しなければいけません。
給与所得者等再生では、給与の変動幅が年収ベースで20%以内であることが必要です。歩合給や業績給の割合が大きい人は、給与所得者等再生を利用できない可能性もあるということです。
可処分所得とは、収入から社会保険料や税金、政令で定める生活費の金額を差し引いた金額のことで、いわゆる収入の余裕です。
また、過去に破産によって免責を受けている人、民事再生法をすでに利用したことがある人は、認可から7年以内の場合には、この給与所得者等再生を利用することができません。
逆に言えば、小規模個人再生ではそうした免責者でも、何回でも利用することができるということです。