住宅資金特別条項付きは認可が厳しい
個人再生は、住宅ローンの残っている自宅を守るために手続きの申し立てをするものですが、みんながみんなそうだとは言えません。
個人再生には、自己破産にはないメリットがいくつもあります。自宅を手放さなくても良いというのも、その1つに過ぎません。いろいろな理由の人が個人再生を選択しています。
ここで注意したいのが、自宅を手放さなくても良いという制度は、個人再生の住宅資金特別条項を利用した場合に限って有効となるもので、この制度を利用しない個人再生があるということです。
住宅資金特別条項付きの再生計画案は、住宅資金特別条項を付していない再生計画案よりも、裁判所の認可が厳しくなっていますので、このことは覚えておきましょう。
通常の再生計画案が、計画遂行の見込みがない場合には不認可とすると定めているのに対して、住宅資金特別条項付きの再生計画案は、計画が遂行可能であると認めることができない場合には不認可とすると定めています。
この2つは微妙なニュアンスの違いになりますが、住宅資金特別条項付きのほうがより厳しく再生計画の遂行について検討されることになります。
また、住宅資金特別条項付きの再生計画案では、その手続きや計画に違法性があった場合、再生計画の決議が債権者の一般の利益に反する場合、再生計画の決議に不正があった場合にも、不認可となります。
さらに、税金の滞納分のために自宅を差押されるなど、再生計画を決議しても結局は自宅を手放すことが見込まれるときにも、住宅資金特別条項付きの再生計画案は裁判所で不認可となります。