民事再生法が個人でも利用可能に
民事再生法とは、本来は倒産に陥った企業を救済するための制度でした。大きな企業であれば、その倒産によって社会に与える影響は大きく、倒産させないように再生への道を歩ませることがときに必要でした。
そうした企業の倒産を防ぐ民事再生法ですが、2001年4月の改正で、破綻した企業だけでなく、個人にもその適応範囲が広げられました。
この頃では、消費者金融業界がめざましく市場を拡大していた時期であり、不景気にあいまって自己破産件数が年々増加していた時期でもありました。
自己破産件数の著しい増加は社会問題とまでなり、何とか自己破産件数を減少させなければという空気が、政治家の中に流れていたのでしょう。
たいした協議もされないまま、民事再生法は改正され、多くの批判を受けながらも今日に至っています。
民事再生法は運用が始まってまだ10年にも満たない制度です。そのため、まだまだ不具合のある制度であると同時に、まだまだ世間に浸透しきっていない制度であると思います。
民事再生法の存在に気がつかず、本来なら自己破産を回避できたケースでも、自己破産をしてしまう人も多いようで、この民事再生法のしくみを国民によく理解させることが大切だと思います。
個人が利用できる民事再生法を個人再生と呼び、自己破産とは全く違う形で借金を整理していく債務整理があることを、よく覚えておきましょう。