債権者の反対決議
小規模個人再生手続では、再生計画案を裁判所に提出すれば、後は裁判所の判断でその認可が決まるというわけではありません。
給与所得者等再生手続の場合には、法律上の要件を満たせば、後は裁判所が認可するだけになります。
しかし、小規模個人再生手続の場合には、提出された再生計画案を認めるかどうかを、再生債権者も判断する場が与えられています。
このことを、通称になりますが、債権者の反対決議と呼んでいます。債権者の反対決議では、再生債権者は裁判所に提出された再生計画案に反対のときには、それを書面にして裁判所に申し出ることができるのです。
個人再生では、債権額の8割がカットされてしまうという、債権者にとっては非常に痛い制度になっていますので、どの債権者も反対するのではと思うかもしれませんが、実際には反対する再生債権者は多くありません。
それは、仮に反対多数で小規模個人再生手続が廃止になった場合、債務者が個人再生を諦めて自己破産で債務整理を行うことが容易に考えられるからです。
自己破産では債権の全額がカットされてしまいますので、それなら個人再生のほうがましだと考えても不思議ではないと思います。
また、小規模個人再生手続が廃止されるには、総再生債権者数の過半数と総債務額の過半数にあたる再生債権者の反対が必要になります。
ちなみに、住宅資金特別条項付きで小規模個人再生手続をした場合には、住宅ローン債権者はこの決議から除外されます。