消費者金融業者は個人再生に賛成?
小規模個人再生手続では、再生計画案を裁判所に提出すると、そこで再生債権者にその再生計画案に反対があるかどうかを聞く債権者の反対決議が行われます。
給与所得者等再生手続では、この債権者の反対決議がありませんので、多少満たすべき制限は難しくなっても、債権者に反対されるリスクを回避するためにこちらを選ぶということもあります。
しかし、ここ数年の消費者金融業者の個人再生に対する態度としては概ね寛容で、ほとんどの消費者金融業者は債権者の反対決議で反対しないというのが一般的になっています。
そのため、給与所得者等再生を利用するよりも、小規模個人再生を利用したほうが有利になっています。
ただ、名義貸しや身分証明書の偽造など、消費者金融業者から詐欺などでお金を借りているような場合では反対される恐れがありますし、その後ろめたさから給与所得者等再生を選択することもあるようです。
個人再生の案内本などで、消費者金融業者は個人再生に賛成ということを書いているのをたまに見かけますが、これは少し誤解があると思います。
消費者金融業者は決して個人再生には賛成はしていませんが、裁判所に反対の旨を述べる行為が手間だと考えているのです。
1つ1ついちいち反対している暇があれば、もっと別のところに人を使いたいというのが本音だと思います。
しかも、個人再生では債権者が反対するば必ず廃止になるというものではなく、過半数の反対票が必要になるのです。個人再生に反対しても、全くの無駄に終わることも多いのです。
また、消費者金融業者は企業イメージというのをとても大切にしています。個人再生に反対して企業イメージを損なうほうが、経営的な打撃が大きくなると考えているのです。