東京方式
個人再生とは、一般債務の一部を裁判所の手続き後3年間弁済することで、残りの一般債務を免責にするという制度になります。
個人再生がまだなかった時代、これと同じようなことが、東京地方裁判所の破産手続きで行われていました。
と言うのも、自己破産には免責不許可事由というのがあり、破綻した人なら誰でも借金が免責されるというわけではないからです。
特に、免責不許可事由の中の、過度の浪費やギャンブルによる借金は免責されないという項目は、それが該当する多重債務者にとっては何とも大きな壁となっていました。
多重債務者になって破綻してしまったが、自己破産をしてこれから新しく生まれ変わろうという人にとっては、過去の過ちで免責を受けられないというのは、あまりにも厳しい話ですよね。
そこで、多くの個人破産を手がける東京地方裁判所では、将来得る収入を積み立てさせ、債務の一部弁済に充てさせることで、免責を認めようという運用方式を始めました。
これがいわゆる東京方式であり、この運用方式は全国の裁判所に広がっていきます。
そして、この東京方式の考え方は、個人再生に受け継がれたと言っても良いと思います。
浪費やギャンブルで破綻してしまった人は、頑張って借金の一部を返済すれば、その誠意を認めて残りの借金をゼロにしましょうというのは、個人再生でも同じだと思います。
個人再生において、浪費やギャンブルが不許可事由になっていないのには、そういった背景や理由があるからでしょう。