自動車や生命保険があるとき
個人再生を選択するケースで多いのは、自宅を手放したくないという理由以外では、他に手放したくない高額な財産があるときです。
高額な財産で多いのは、自動車と生命保険です。
自動車というのは、自宅と同じように愛着のあるものだと思います。それに、環境によっては自動車がなくては生活できない人も多いと思います。
都市部で生活している人なら、ある程度我慢すれば自動車がなくても十分生活していけると思いますが、最寄の駅やお店まで10キロメートル以上あるというような地方では、自動車なしの生活は考えられません。
そのため、自己破産したいが、それによって自動車を手放さなくてはならないとういのでは、生きていけないという人は、個人再生を利用するのです。
生命保険についても、解約したときに戻ってくるお金が高額になる場合には、自己破産ではそれを配当として借金の弁済に充てなければいけません。
生命保険がなくても生活には支障をきたすことはないと思いますが、もしものことを考えると、生命保険を解約するリスクは高いと思います。
このように、自宅以外にも手放したくない高額な財産はあると思います。自己破産ではそれらの高額な財産は原則没収となってしまいますので、これがネックになる人も多いと思います。
個人再生では、債務の一部を弁済しなければいけませんが、所有する財産を手放すことなく大幅な減免ができますので、そういった人には重宝する制度だと思います。
また、個人再生には清算価値保証の原則というものがあり、自己破産の場合に配当する金額以上を弁済しなければならないとされています。
自動車や生命保険をお金にしたときよりも、多くのお金を個人再生では弁済しなければならないということで、手放したくない財産が高額になればなるほど、それだけ最低弁済額が引き上げられるということです。