過剰貸付規制は必要か
貸金業者は、貸金業規制法や事務ガイドラインによって、過剰貸付について規制されています。
利用者の返済能力を調査して、その返済能力を超えるような貸付をしないというのが基本になり、簡易審査では50万円までまたは年収の10%までしか貸付してはいけないといった規制もされています。
また、新しい改正貸金業法では、貸付けの総量規制が盛り込まれています。多重債務者問題が解決するまでは、引き続き過剰貸付規制の締め付けは厳しくなっていくと思います。
ただ、消費者金融業者で貸付を実際に行っていた者の見解を述べれば、そんなことは規制されることではないとなります。
過剰貸付をして損をするのは、債務者ではなく債権者である貸金業者だからです。自分の首を絞めるようなことを進んでするところもいないだろうというのが私の考えです。
確かに、貸金業者による過当競争が始まると、多くの貸金業者が過剰貸付を行っていきました。貸倒れが増加すればそれだけ資金繰りに苦労することになりますので、どんどん貸してそれをカバーしたのです。
つまり、過剰貸付をしているような貸金業者は、どこも自転車操業状態であり、放っておけば次期に倒産するということです。
わざわざ規制されなくても、過剰貸付しないように注意しているというのが、多くの貸金業者の意見ではないでしょうか。
消費者の所得の格差が広がっている今の時勢で、破綻する人が貸金業者の予想を上回るほど多くなっているというのが本当のところだと思います。
多重債務者問題は一方的に貸金業者が悪いという意見が大半ですが、実のところは貧困層の増加がその原因になっているのではないでしょうか。