貸付限度額はいくらか
貸金業者は1人の顧客に対していったいいくらまで貸付ができるのでしょうか?
貸金業者がもっとも社会から非難され、それ故にもっとも注意しなければいけないことは過剰貸付だと思います。
貸金業者の過剰貸付を防ぐために度々貸金業法が改正されてきましたが、今度は総量規制が行われます。
総量規制では、年収の3分の1を超えた貸付を原則禁止するというものですが、明確にいくらまでというような貸付限度額を設けたわけではありません。
支払い能力には個人差があり、富裕層にはそれに見合うだけの大型貸付が可能ですし、貧困層にはそれだけ少額貸付しかできないというのが現実としてあります。
貸付限度額を法律で規制すれば、富裕層が貸金業を利用しにくくなりますので、それは利用者の経済的利益を図ることを目的とした貸金業規制法の趣旨に反することになります。
また、貸金業規制法の対象は消費者金融業者だけでなく、事業ローン業者などにも及ぶことになりますので、貸付限度額を規制することは現実的に困難となっているのです。
そのため、法律では貸付限度額というものは設定されていません。強いて言うならば、これからは年収の3分の1までというように、個人個人に設定されるものになると思います。