貸金業規制法の目的
貸金業者を規制する法律が、貸金業規制法になります。ここでは、貸金業規制法の目的を簡単に説明したいと思います。
貸金業規制法1条で、貸金業を営む者について登録制度を実施することと定めています。営業するには国の許可がいるようになっているのです。
さらに、必要な規制を行うとともに、貸金業者の組織する団体の適正な活動を促進することにより、その業務の適正な運営を確保するとしています。
その目的として、資金需要者の利益の保護を図るとともに、国民経済の適切な運営に資することとしているのです。
つまり、一切の規制をしないで市場任せにすれば、利用者である資金需要者の利益を損ない、国民経済の適切な運営ができないとしているのです。
貸金業規制法は、貸金業者の営業を健全化させることを目的にするというよりは、その利用者である消費者や事業者の利益の保護を目的とした法律ということです。
そのため、貸金業規制法は、商工ローン問題やヤミ金融問題などが勃発するたびに、その都度迅速に法改正を重ねてきました。
貸金業規制法の改正は、特にここ数年の間で毎年行われています。それほど、多重債務者問題を国が深刻に受け止めているということでしょう。
しかし、貸金業規制法で資金需要者の利益を保護すればするほど、資金需要者は貸金について安易に手を出すようになり、貸金についての勉強も疎かにする傾向があります。
過保護に育てられた貸金業の利用者は、完全な無知状態であり、それが多くの多重債務者やヤミ金融被害者を生んでいる本当の原因だと言っても間違いではないと思います。
多重債務者問題の責任は、国の政策失敗によるものだと言っても良いでしょうし、どれだけ法改正して規制を強めても、多重債務者問題やヤミ金融問題が解決することはないと思います。