収入のない人への貸付の禁止
収入のない人というのは、文字通り収入がない人で間違いないと思いますが、金融世界での細かい定義はされていません。
一般的に考えれば、年金生活者のように一定の収入があっても、それが生活費として消費されることが明らかな場合には、金融世界で言えば収入がない人となると思います。
また、専業主婦や学生も収入のない人に該当すると考えられます。専業主婦は夫の収入で家計をやりくりしているので、本人には収入はないですよね。
学生は自分で生計を立てているわけではなく、親に扶養されている身分になりますので、専業主婦と考え方としては同じだと思います。
貸金業規制法では過剰貸付の禁止として、収入のない人への貸付を当然に禁止しています。
でも、現実社会に目を向けると、学生ローンや主婦専用ローンといった商品が出回っていると思います。
これは、専業主婦であってもパート勤務などで定期的に収入を得ている事例が多いですし、学生がアルバイトをするのも常識となっていることが関係しているのです。
専業主婦や学生であっても収入を得ている可能性が高いという前提が、学生ローンや主婦専用ローンの出発点になっています。
ただ、実際には専業主婦であればその夫の、学生であればその親の支払い能力を暗にあてにして貸金業者が貸付していることは明白です。
今の過剰貸付禁止の法律では具体的な基準が定められていませんし、違反した場合の効果も定められていません。
そのため、収入のない人への貸付の禁止は、決まりではなく行動の目安となる訓示規定だと解されています。つまり、貸金業者を縛るほどの効果はないということで、各貸金業者のモラルに委ねられているということです。