出資法と利息制限法の関係
利息制限法とは、1954年に制定された金利を規制する法律です。お金を貸す側の貸付金利を規制する法律で、貸付する金額によってその上限が変わります。
利息制限法では、貸付額が10万円未満で年率20%、10万円以上100万円未満で年率18%、100万円以上で年率15%が上限利率になります。
もし、これを超えた金利で金銭の貸し借りを行った場合、超過する部分は無効となっています。
出資法とは、同じく1954年に制定された法律ですが、その目的は金利を規制することではなく、ヤミ金融を防止する目的で作られた法律になります。
出資法では、特定の出資金や預かり金を禁止し、貸付の上限金利を定めることで、違法な貸金業者に刑事罰を与える役目を担っています。
出資法の上限利率については、時代ごとに改正されていて、2008年11月現在は年率29.2%となっています。
利息制限法と出資法の上限金利が異なるため、過払い金問題が起こっていることは有名な話だと思います。
ただ、出資法ではみなし弁済という規定があり、みなし弁済が成立する条件を満たせば、利息制限法を超えた金利でも、出資法の上限金利内なら有効とするとなっています。
しかし、多重債務者問題が深刻化すると、裁判所がこのみなし弁済の条件を厳格化して、事実上みなし弁済の規定が不可能となります。
それによって、過払い金の返還請求が活発化されることになるのです。しかし、依然として利息制限法と出資法では上限利率が異なり、グレーゾーン金利はなくなっていません。
そのため、まだまだ多くの貸金業者が利息制限法の上限金利を超えた金利で営業を続けているのです。
しかし、今後は利息制限法と出資法の上限利率が統一される見通しとなり、出資法の上限利率が利息制限法の上限利率に揃えられる予定です。
ただ、過去に出資法と利息制限法の上限利率の違いによって生まれたグレーゾーン金利が取り消されることはなく、過去のグレーゾーン金利分については、過払い金返還請求が引き続き行われると予想されています。