自宅が競売にかけられる!どうするQ&A
Q:1ケ月後の入札通知が届いたけれど何とかならないの?
A:残念ながら手遅れです。
入札までに1ケ月あるということは、理論的には任意売却も可能です。
しかし たった1ケ月で、物件の買い手探し→返済→競売の取り下げを行うことは 時間的に非常に厳しいです。
それに、取り下げをお願いする際に、最低200万から300万円の現金や 追加の保証人などを準備しておかなければいけない場合もあります。
ですから、この段階においては もう手遅れと言えるでしょう。
ただし、運良く 後10日で落札されるというところで任意売却を成功させた例もあります。
奇跡を信じて諦めることなく、一度 専門家に相談してみてください。
Q:競売後の残債務はどうなるの?
A:残債務がなくなることはありません。
例えば、4000万円の借金があり 競売で1500万円を返済したとしましょう。債務は、2500万円残ることになりますよね。
この場合、この残った2500万円の債務が免責されることはありません。債務がなくなるまで、返済し続けなければいけないのです。
もし他に不動産を持っている場合には、その不動産も競売にかけられます。
そして連帯保証人がいる場合には、連帯保証人にも請求がなされます。
完済するまでは とことん追いかけてきますので、ご覚悟を。
Q:競売が行なわれると自宅はどうなるの?
A:立ち退きしなければなりません。
競売が行なわれた後は、強制代執行を行う執行官が 鍵屋や運送屋などを連れてきて、その家にある荷物をまとめて持ち出してしまいます。
そして 荷物を返却してもらいたい場合には、一般の引越業者に支払うより倍以上の支払をして 返してもらうことになります。
また、競売が動産にもかけられていた場合には、動産も売却されます。異議申し立てをしても、聞き入れてはもらえません。
もちろん、営業している店舗の場合も同様です。「営業しているから待って」と言うのは、通じないのです。
なお、競売された家屋に鍵を壊して侵入した場合には、不法侵入扱いで逮捕されてしまいますので ご注意を。
Q:競売で自宅が落札されたらお金をもらえるの?
A:基本的にはなにももらえません。
競売で落札されると立ち退きをしなければなりませんが、その時の引っ越し代金とか 債務者にとっては負担ですよね。
そこで、何らかの費用が出ないかと思うわけですが、基本的には一切の費用は出ないです。
ただし、速やかに退去してほしいとの思いから、落札者によっては 数十万円の退去料を出す場合もあるかもしれません。
とはいえ、あくまでも落札者の善意ですから、期待し過ぎるのはよくないでしょう。もちろん、金額に不満を言うなんてのは、もってのほかです。
Q:自宅が競売にかけられた!けど、落札者がいない。どうなるの?
A:特別売却となります。
競売で落札されなかった場合には、特別売却となります。買受可能価額以上なら、先着順で買受人を決定するのです。
それでも売却できなければ、再度鑑定し直したり そのまま価格を引き下げて、再び入札期日が設けられての競売となります。
これを3回繰り返しても売れない場合には 債権者にその旨が通知され、買受人がいることの手続きを3ケ月以内にしない限りは 競売は取り消されます。
取消が一旦なされれば競売はなかったことになるので、入札する人にとっては安く落札できる可能性があります。
しかし重大な欠陥があるなど、それなりの理由があると考えられるので 注意が必要でしょう。
一方 債務者からすると、落札されるまで住み続けることができます。
ただし、競売手続きするにはお金のかかることなので、不便な場所にあったり 欠陥がある住宅においては、債権者が競売にかけないこともあります。
ですから ほとんどの場合には、特別売却あるいは2度目の競売で 落札されてしまうことでしょう。
というわけで、長く住めるといった期待は持たないでください。
Q:競売と同時並行で任意売却するとどうなるの?
A:競売にかけられる前の任意売却と変わりません。
競売と同時並行で任意売却ができれば、競売にかけられる前の任意売却と同じような処置がなされます。
債権者が、引っ越し費用などを捻出してくれることが多いのです。
また、残債務の支払いにおいても 競売よりも断然有利です。
ですから、入札されるまでに何とか任意での売却を目指してください。
なお 業者の中には、「任意売却だと誠意があるものとみなされて、債権者が債権を放棄してくれます。」といったデタラメなことを言う業者がいます。
しかし、債権を放棄するなんてことは絶対に有り得ないことです。鵜呑みにしないでください。
そして もし、相談した業者が こうした発言をしているのなら、他に信用できる専門家を探すことをお勧めします。
Q:自宅が競売!裁判所の執行官は何しに来るの?
A:不動産を鑑定するために伺います。
債権者が競売の申し立てを裁判所に起こすと、裁判所は まず、最低落札価格を決めなければなりません。
このとき、適当に価格が決められるのではなく、不動産を鑑定してから その不動産に見合った価格が決定されるのです。
そこで、競売が決まると 裁判所の執行官は、不動産鑑定士を同行させて その不動産を見に行きます。
写真を撮ったり 所有者から聞き取りしたしたりして、評価書を作成するわけです。
そして その評価書をもとに 最低入札価格が決定されます。
その後 手続きが進められ、不動産を欲しい人たちは この金額以上で入札していくという流れになります。
Q:競売不動産とは何?
A:競売に出された不動産のことです。
住宅ローンを貸し出す際、金融機関はあらかじめ抵当権を設定しているものです。
もしローンの返済が滞った場合に、その抵当権を設定させておいた不動産を 競売に出して 債務に充当させるためです。
競売不動産とは、この 競売に出され差し押さえされた不動産のことを言います。
入札において、所有者の協力を一切受けることはできません。
Q:競売はなぜ一般市場価格よりも安いの?
A:迅速に処理していくためです。
バブルの崩壊によって、金融機関は 多額の不良債権を抱えることになります。
そして、この不良債権を処理するために、裁判所に競売の申し立てを行いました。
このとき、競売申し立てされた担保不動産の 迅速かつ適正な処理が求められたのです。
こうした特殊性のために、裁判所が決定する最低競売価格は 市場よりもかなり安く設定されることになりました。
また 同時に、実際の落札価格も、多くの場合で 一般市場価格の3割から4割安となったのです。